「王様のブランチ」のリポーターを務めるタレントの青木英李と紗綾のおふたりの代々木公園でのテング熱ウイルスへの感染が伝えられて以来、続々と感染者数が増え、大変な騒ぎになってきました。
蚊の駆除風景が伝えられていた代々木公園ですが、2014年9月4日の蚊の採集でデングウイルスが確認され、ついには14時から敷地の大部分を封鎖という事態にまで発展してしまいました。
蚊の移動距離はせいぜい50~100mといわれるなか、800mほど離れた明治神宮での感染も疑われています。
また、埼玉や愛媛、大阪の高槻市でも感染が確認され、とどまるところをしりません。
なお、この際に発表の日本国内での感染者は55人。
前日の倍に増えてしまいましたが、感染経路が散歩やプチレジャーとして日常的に訪れる方が多く、また夏休み中に屋外イベントなどが催されていた代々木公園であることを考えると、どれだけ感染者が増えてしまうかちょっと未知数ですね。
代々木公園では8月の2~3日にアセアンフェスティバル、16~17日にはカリブ中南米フェスティバルが催されており、関連が気になるところです。
差別云々という話ではなく、もともと国内には存在しないウィルスですので、日本人の海外旅行者も含めて持ち込まれた可能性が極めて高く、今後の対応策の課題といえるでしょう。
ちなみに日本国内でこれほどテング熱ウイルス感染者が発生したのは戦時中以来とのこと。
この時はやはり海外から帰還された方から広がったようです。
連日の報道で不安をかられている方も多いと思いますので、同じ吸血昆虫被害の対策サイトとして、デング熱ウイルスについてのFAQを作ってみました。
Q.テング熱ウイルスを媒介する蚊とは?
A.ヒトスジシマカ・ネッタイシマカの吸血行為によって媒介されます。
しかし、このうちのネッタイシマカは日本には生息しません。
国内での感染源はヒトスジシマカという白黒のぶちというかシマシマみたいな蚊です。
(画像:WIKIより)
Q.人にうつりますか?
A.人から人へは感染しません。
今回の事態は海外での感染者が人の多い代々木公園で蚊に刺されたことにより、ウイルスが媒介されたと考えられているようです。
Q.テング熱で死亡することはある?
A.致死率は感染者の1%弱、毎年猛威を振るう季節性インフルエンザの致死率が0.1%ほどといわれており、やはり怖いウイルスであることは確かです。
日本国内の発症例では重症化したデング出血熱と診断された患者が4%ほど、これを放置してしまうと致死率は20%ほど、適切な治療を行った場合は1%未満に抑えられるようです。
Q.テング熱ウイルス感染の症状はどんなもの?
A.ウイルス感染から潜伏期間(3~7日)を経過後、突然の40度近い発熱が起こります。
また、この際に頭痛・目の痛みを伴い、これが初期症状となりますが、7日ほど持続します。
発症から3~4日目頃から、胸部などから湿疹がはじまり、手足や顔面など全身に広がります。
また、関節痛や倦怠感を伴います。
ほとんどの場合は1週間ほどで症状が収まりますが、重症化した場合は発症から3~7日後に目や鼻耳からの出血が起こります。
この場合は適切な処置を行わなければ死に至るケースもあるようです。
しかし、実際には重症化の例は非常に少なく、2006年~2010年に日本国内でデング熱ウイルスに感染と診断された患者で死亡者はいませんでした。
Q.過去に日本での発症例は?
A.熱帯のウイルス感染症と認識されていたデング熱ですが、じつは日本国内においても年間200人程が発症しています。
ただし、これまでの場合は海外で感染したのち、帰国後発症していると考えられており、ここが今回の騒動と違う点ですね。
Q.感染した場合の治療方法
A.テング熱ウイルスに対しての特効薬はありません。
経口保水や点滴などのいわゆる対処療法となります。
Q.感染しないための対策は?
A.基本的には蚊に刺されることを避けるしかありません。
Q.予防接種でテング熱ウイルスを防ぐことはできない?
A.現在のところこのウイルスのワクチンはありません。
しかし、近年開発に進捗があったとされています。
つい先日にもフランスで臨床実験に成功し、2015年にも実用化!という話題を耳にしましたので、期待したいところです。
Q.犬にも感染するのでしょうか?
A.人畜共通伝染病なのでペットの犬や猫が感染経路となる可能性はありますが、基本的に発症することはないようです。
もちろん、犬から人へ直接うつることはありませんが、蚊を媒介にして感染するということは十分考えられます。
それでもデング熱ウイルスを持った蚊は犬や猫より人の血を好むそうなので、これについてはそう神経質にならなくてもよさそうです。
ただ、念のためにワンちゃんの散歩にも虫対策はしておきたいところですね。
Q.蚊に刺されないためには?
A.草や藪など蚊の生息しようなところへは極力いかない。
屋内でも蚊取り線香など蚊除けを使います。
屋外で活動する際には半袖・半ズボンを避けるといったことでしょうか。
また、虫除けを使うのも有効な手段です。
このサイトでは同じく吸血昆虫であるブヨやヌカカから身を守るための情報を発信しています。
蚊にも有効ですので、ぜひ参考にされてください。
→
吸血昆虫から身を守る
また、人同士の感染はないとはいえ、やはり心配なのか、ネット上では「デング熱 どこ」や「デング熱 学校」などで検索されているようです。
風評被害は避けたいところですが、実際に感染者の近くにはウイルスを媒介した蚊がいてもなんら不思議はありませんので、今後、行政や自治体などがどのようなガイドラインを作成するか注目されるところです。
重篤な症状に陥ることは少ないということを頭に入れ、パニックにならぬよう冷静に対処しましょう。
最後にデング熱に関しても相談できる厚生労働省のウェブサイトを紹介しておきます。
→
感染症・予防接種相談窓口